伝説のウラギン


 長い間心の中の片隅に追いやられ、とっくに忘れ去ったはずの、幻の蝶
 「ウラギンシジミ」。昔々その昔、北杜夫が書いた幻のウラギンシジミ
 を追い求める松本高生の話を読んだ記憶が、すっと蘇りました。

 ああ、これが北杜夫が追い求めた、妖精のようなウラギンなのかーーー
 題名もあらすじも、何もかも忘れ去ってはいるものの、「幻のウラギン
 とはどのような蝶なのか?」そう思い続けていたことが、ありありと浮
 かび上がってきます。

 今、こうしてウラギンシジミに出会ってみると、若き日の想いが30数年
 かけて繋がったことの喜びと、想い続けることは達成できることという
 不思議を感じます。

ちはら台の散歩道
 2006年10月
 Vol.25-sanpo1


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