夏の色


  重くて湿った風と、熱気を帯びた光の中で、夏の色が育ちます。
  野の草木のちょっと重くなった緑や、野の花の成熟しつつある色香や、
  物憂く花の蜜を吸う蝶たちの羽も、熱気の中で色濃くなります。

  初夏の色から成熟の一歩手前の、夏の色の短い日々が続いて、そして
  熟れに熟れて、崩れ落ちんとする熱暑の夏に向かいます。

三歩と散歩道
 2010年 7月
 Vol.70-sanpo1


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