つりしのぶ風鈴


 あさの空模様は曇りーー台風の影響で雨になるのを覚悟で、まずは浅草へ。
 しっとりと濡れた浅草寺には、小雨をものとしない傘の行列が続いていて、
 傘とカメラを持って、人込みに流されながら、しとしと詣でとなりました。

 ほおずき横町では、明るい声を上げる若い子や、ねじり鉢巻きや、粋な装
 いの売り子の賑やかな屋台の片隅に、つりしのぶ風鈴も並んでいました。

 シノブは山地の樹木や岩肌に着生して育つシダで、強健で乾燥に強く、水が
 なくても「耐え忍ぶ」ことからこの名がつき、そのシノブを吊るすことから
 「吊り忍」、そして「つりしのぶ」の名となったそうです。

 そのつりしのぶに風鈴がついて、風を呼んで、涼やかな音色が、ちりん。

三歩と散歩道
 2014年 7月
 Vol.118-sanpo2


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