オオキンケイギク


 もう10年位前の頃、村田川沿いの一軒家のすぐ横の堤に、この花がたくさん
 咲いていて、蝶たちがよく遊びに来ていたものでした。

 ある日花に来ている蝶を撮っていると、花の世話をしている家のおばあさん
 が、花の名はキンケイギク(金色の鶏の菊)で、その蝶は「ほめてあげると
 近くに寄ってくるのよ」と教えてくれました。

 蝶はヒメアカタテハ。暖かい色を織り込んだ羽で、キビキビスイスイと飛び、
 明るい光の中で、くるりと廻って手元に来てくれたことを思い出します。

 それ以来、一人の時はおばあさんの言葉をまねて、「いいよ、いいよ、きれい
 だよ、こちらへきて見せておくれ」などと声を出して呼び掛けて、花と蝶とを
 楽しんだものでした。

 あのような日々が、またあって欲しいと願いながらカメラを持って出かけます。

 

三歩と散歩道
 2015年 5月
 Vol.128 sanpo4


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