はかなき花


  はかなき花よ あじさいは
  青く群れ咲く あじさいは
  花の重さに 身を下げて
  ほんのり香り ただよわせ
  花の口紅 ああ 見せて咲く


 もう50年近く前の、まだ青年の入り口にあった頃、この花を「はかなき花」
 と詠んだ友がいました。その頃はまだ文学へのあこがれと憂いを身に漂わせ
 ながら、新しき世界で仕事に取り組んでいたものでした。

 その頃の、その文学への若き香りと憂いが、ほのぼのとでもいいから、戻っ
 てこないものかと、はるか昔を思い出します。

 

三歩と散歩道
 2015年 6月
 Vol.129sanpo3


’15年5-8月表紙へ

閉じる

画像をクリックして大画面へ