垣根の秋


 垣根の片隅や、門燈の脇や、植え込みの一角や、生垣の空き地などと、家を
 取り巻いて歩く道のすぐそこに、丹精込めて育ったり、ほったらかしのまま
 だったり、勝手に居座ったり、あれっと言われたりと、さまざまな様子を見
 せてくれるのが、秋の垣根の花ではないでしょうか。

 広く開けた散歩道を少し上を眺めながら、湧き起こる想念を、湧いては消え、
 消えては湧くにまかせ、わらべ歌などを口ずさみ口ずさみ、身体が喜こんで
 いるのを感じながら、歩いているのが極上の散歩のひとときです。

 ですが、そんな散歩道の行き帰りには、静かな住まいの、垣根や植え込みや
 庭先を眺めながら歩くことになります。
 それはそれで、人の手や心が入った、花や木や植え込みを眺めながら、そこに
 住む人の息づかいを感じて歩くことになります。
 そんな花たちを撮り集めてみました。

 

三歩と散歩道
 2015年 10月
 Vol.133 sanpo1


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