初夏の野に


  村田川を越えて緑の稲田の中道を通り、巨木の茂る林のとば口に至ると、
  初夏の輝くひかりも、木の葉にさえぎられたり、まげられたり、薄められ
  して、少しひんやりとした、静かなひかりの広がる小道となります。

  そんな小道には、ホタルブクロがはみ出していたり、柔らかなひかりの中
  でサツキが「ここよ、ここ」と張り切っていたりします。

  大きな古民家の点在する、静かな林の中の小道には、人の手があまり入っ
  ていない草むらの中から、野の小花がぽつぽつと咲いていて、それを頼り
  に蝶たちが蜜を吸って、花と共に生きています。
  野の小花も、蝶も、共に頼りあって、栄えあれ!

三歩と散歩道
 2016年 6月
 Vol.141-sanpo3


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