十月の花


  秋もなかばを過ぎました。ボンジアやランタナやダリアやハナカタバミが、
  夏の終わりを告げて咲き、秋を彩るシュウメイギクやキバナコスモスが、
  明るく澄んだ秋の光の中で「わたしよ わたし」と話しかけてくれます。

  でもやはり、秋はものおもう時。 ノコンギクのあわい青紫は心の内に
  そっと沈み込み、ジュウガツサクラの花びらは、澄んだ青空の中で、凛と
  襟を正し、秋の野のバラは小さくともしっかりと咲き、静かに「物思え、
  ものおもえ」と告げているように思われます。

  秋よ、さなかの秋よ、我が心の内にものおもうひとときを与えたまえ。

三歩と散歩道
 2016年 10月
 Vol.145-sanpo5


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