野の 菊


  晩秋となりました。

  散歩で歩いていると、垣根や野に菊の花が目につくようになります。
  ほとんど人の手が入っていない垣根の隅っこや、舗装の隙間などからたくましく葉を広げて、
  低い姿勢でつつましく、白い花や、淡いピンクの花が、知らん顔をして咲いています。

  手を入れて、大きく形を整えて、華やかに飾った菊も素敵ですが、晩秋の散歩道ではこんな
  静かな花が、そっと心にしみわたります。

  白や、やさしい桃色や、あわい黄色が、道端で、だれにも構われずに、そっと咲いていて、
  秋はどんどん深まって、もうすぐ冬になります。

三歩と散歩道
 2017年 11月
 Vol.158-sanpo4


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