雪に 朝陽


  夕刻から降り始めた雪は粉雪となって、強い風に舞いながらしんしんと降り続き、屋根や垣根や
  道を真っ白におおって積もっていく様子を、少しワクワクしながら夜遅くまで、「明日の朝は」
  と思いながら見て、疲れて眠って、そして朝が来ます。

  「ごわごわごわ」と、雪を踏みしめる低いタイヤの音を布団の中で聞いて、雪だ!と目が覚めて
  急いで着替えて、パンとカフェも後回しで、カメラを持って長靴はいて、雪の中に出ていきます。

  まだ朝陽が輝き始めたばかりで、まだ静まり返った白黒の墨絵の世界の、白黒に覆われた屋根や
  垣根や道を、横殴りの強く暖かな光は、その白黒の世界を、きらびやかに切り取っていきます。

三歩と散歩道
 2018年 1月
 Vol.160-sanpo3


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